2022年の振り返り

2013年1月にSQOOLを創業し、もうすぐ10年になろうとしています。会社としては11期目に入りました。
2022年の今年は、会社も自分自身も色々と方向性の転換があり、大きな節目の年になりました。

年末にわいわい遊んだインディーのカードゲーム、この後ベロベロになって楽しかったw

10年と聞くと、起業前は

「起業して10年持つ会社はほとんどない」

というようなことをある程度信じていましたが、今となっては実態はそうではないのではないかと感じます。
ここで細かく分析するつもりはありませんが、政府が発表している各数字などを見ても、また私の実感からも、日本での新規事業の生存率は世界的に見てかなり高いのではないかと思います。

これは、
日本は依然大きな経済国であり収益を得る手段がそれなりに多くあること、
起業後の助成がそれなりに手厚いこと、
そして手堅い経営者が多いこと
などがあるのではないかと思います。

しかしそれは自身に当てはめてみると、挑戦せずに保守的になってしまうという側面もあることを実感します。

 

さて、2022年の大きな動きは主に3つありました。

1つは、システム開発事業をSQOOLとして停止したことです。
2020年から縁故によりシステムエンジニアを雇用し、既存の事業を巻き取る形で事業として運営していましたが、それを別会社に切り出す形で終了としました。
理由は複数ありますが、日本のシステム開発の業界構造に私が理解を示せなかったこと、そしてそこに時間と労力を多く割くことに私が好意的になれなかったことが根底の原因としてありました。
構造として機能している業界の在り方に物を申すものではありませんが、少しでも疑義を持つ事業については手を出すべきではない、ということを痛感しました。
これについては多くの方に迷惑をかけてしまい、私のこの10年の中でも大きな反省を得た経験でした。

2つめは、海外への渡航を再開したこと。
私の事業促進のモチベーションの1つは、日本のゲームを海外に広げることですが、
コロナ禍にあって数年できていなかった海外との交流が今年の後半になってようやく再開できるようになりました。台湾、韓国、ベトナムに行き、現地のゲーム開発者や経営者と交流することは、私にとってやはり非常に大切で、そこから多くのものを得ることができました。

コロナ禍前に掘っていたベトナム市場の開拓を再開、ハノイの街は数年で結構変わった気がする

新たな事業もいくつか始動し、日本人として海外に出て行く緊張感をある程度取り戻すことができました。

3つめは、講談社さんのゲーム事業に携わったこと。
講談社はゲームクリエイターズラボという、インディーゲームクリエイターを支援する事業を2年ほど前から行っていますが、その理念が素晴らしく、SQOOLでは実現できないことを、講談社の事業の中で経験できていることは、私にとってとても大きな経験になっています。

上記の海外展開と合わせて、講談社ゲームクリエイターズラボの事業理念の実現に向けて色々と考え提案をしていくことは、私が起業前に会社の一員として培った経験や、起業してからのさまざまな、一部無謀な挑戦を、ある程度活かせるのではないかと思っています。まだ全てがうまくいっているわけではなく、むしろどちらかというとうまくできていないことが多いと感じていますが、兼ねてからの目標であった「インディーゲームの支援」に携われていることについて、本当に講談社さんには感謝しています。

さて、これらを経て、SQOOLの会社としての動きも大きく変わりました。
単純に社員が減り、再び極めて小さな組織に戻りました。
その上で、外国人留学生の方にアルバイトとして加わっていただいたり、また海外に関連会社を設立すべく準備を進めたり、あるいはゲームにとらわれずに「越境」をキーワードに新たな事業を進めたりしておりますが、2023年はこれらをしっかり事業化すべく動いていく予定です。
SQOOL以外にも実は2021年に立ち上げて動かせていなかった芸能系の別会社も少しずつ動いてきていますので、そちらも「越境」をキーワードに新たな動きが出てきています。

起業以来さまざまな幸運に恵まれ、成功よりも失敗が圧倒的に多い中でこうやってブログを書けていることに本当に感謝しています。

ワールドカップを見て、シュートを打てば入ることもある、ということを改めて感じました。
事業は誰か特定の人や物との勝負ではありませんが、何かをしようとしなければ結果が出ないという点で同じだと思います。
起業直後の10年前にはできていたことを、2023年はもう一度できるように頑張りたいと思います。

年に数回しか更新しないこのブログも、記事を出すと色々な感想をいただいていて、それも本当に私の大きなモチベーションになっています。いつもありがとうございます。
来年もどうぞよろしくお願いします。

みなさま良いお年をお迎えください。
2023年がみなさまにとって良い年になりますように。