決心のスピード
不況のうちに会社を作りたいと思った。去年の11月くらいまでは景気が上向く気配は無くて、会社を作るなんて言ったら「思い切ったことをするね」と言われた。そんな雰囲気のうちに会社を作りたかった。
何となく元気をなくしている日本の雰囲気に反発したいという気持ちと、逆境の方がカッコいいという浮ついた気持ちと、それから不況はチャンスだという計算があった。
不況はチャンスだ。
まず動くだけで目立つ。きっかけを待っていたような人が集まってくる。能力は有るが十分に活躍していない人は本当に多い。彼らは社長をやりたいわけじゃ無いから、不況下ではくすぶっていることが多い。
モノが安い。不況下では色々なものが安い。徳政令みたいなもので、資金の差が致命的では無くなる。無駄なお金も掛ける場所が余りないから、事業は自然とコンパクトに発進する。
勝負が早い。好景気に騙されてダラダラ続くという事が無い。不況下で立ち上がった事業は、少なくともそうで無いよりは生命力を持つはずだ。勝負は短期間で出る。否が応でも一点突破するしかないから、切れ味が鋭くなり、スピードは速くなる。
そんなことを考えて起業準備に入ったが、その後すぐに総選挙があり、政権が交代し、円安が進んで株価は急上昇した。決断が数か月遅かった。好景気を見込んで会社を興したように見えてしまう。
チャンスはどこにでもある。
景気が悪いのもチャンスだし、景気が回復し始めるものチャンスだ。常にチャンスはある。大切なのは、自分が見定めたチャンスを正確に掴むことだ。それには反射神経が必要なのだ。
思うように生きているか?
世間の言う一般的なチャンスに惑わされていはいないか。
深く考えているか。
いつか、と思いつつ、いつまでも現状に沈んでいないか。