インディゲームデベロッパー向け(初心者用)ゲームがメディアに掲載される為には
最近インディーゲームデベロッパーの方と話す機会が増えてきました。
ゲームメディアを運営している私としては、彼らが面白いゲームを作ってくれるからこそのゲーム市場で、
尊敬もしていますし、今後も頑張ってほしいし、できれば等しく成功していただきたいと思っています。
しかし色々とお話しするうちに、どうもインディーゲーム開発者には、
自分のゲームのPRが苦手!
という人が多いって事が分かってきました。
「プレスリリースを出した方が良いですよ~」とか、「ゲームメディアに掲載打診をしてはどうですか」と伝えていますが、結構な頻度になってきたのでいったんここにまとめます。
ここではゲームメディアに掲載されるコツみたいなことを(加藤の主観に基づき)少し書きます。
全部が全部正解じゃないと思いますが、何もしないよりは多分ましなので現状で何もPR活動をしていないインディーゲームデベロッパーさんは参考にしてみてください。
※PRがうまく出来さえすれば儲かるかというとそうではありません。ゲームの品質が相応に高いことは前提です。
※メディア=ウェブメディアです。
基本のキ 最大のチャンスはリリース時!次点でバージョンアップやイベント
PR活動をする最大のチャンスは「新規リリース時」です。
メディアが記事掲載をするのは業務であって趣味ではないので、基本的には何もないものを取り上げることはありません。
例えば超大手の大型タイトルだって、リリースから半年後の、特段イベントもやっていないふつーの時期に
「半年前にリリースされた○○が普通に稼働しています!」とか記事にしてもしょうもないのです。
メディアが記事掲載をする理由の1つは「ニュース性」です。「ニュース性」のあるものはユーザーも知りたいと思うし、メディアとしても掲載する切り口がたくさんあるのです。
ゲームの最大のニュースは「新規リリース」。(と、運営終了、ですが運営終了は普通PRしない・・・)
新規リリース時は絶対に!絶対に!PR活動をすべきです。お金をかけない方法もあります。後で書きます。
モバイルゲームの場合は特に、初動の動きの悪さを後で回復させるのは大変。アプリゲーム開発者は「リリースに合わせてPRを絶対に仕込む」つもりで行きましょう。
リリース時以外のニュースといえば、「バージョンアップ」「値引きキャンペーン」「ストアにフィーチャーされた!」「イベントに出展する」などです。これらのタイミングでもPRすべきです!
賞をとった、とかも良いですね。
PRってどうやってやるの?簡単なのはプレスリリース
プレスリリースって聞くとなんかたいそうな事のように感じるかもしれませんが、大したことはありません。
「事業者が報道関係者に流す正式なニュース」ってだけです。
そう、プレスリリースは一般の人向けではなく報道関係者向けに流すものです。
報道関係者はたくさん届くプレスリリースの中から、自分のメディアに合ったものでユーザーが喜びそうな(ウェブであればPVが稼げそうな)ネタを探して記事にします。
プレスリリースは転載も認められていて、メディアとしては最新のニュースを手っ取り早くユーザーに届ける便利な情報源でもあります。
プレスリリースは自分のウェブサイトに「プレスリリース:報道関係者各位」とか書いて普通に記事発信してもOKですが、それだとほぼメディアには届かないので「プレスリリース配信会社」を使うと良いでしょう。
今はネット系の安価で優れたサービスがたくさんあります。
筆者がおすすめのサービスをいくつかご紹介します。
※値段の差はほぼそのまま拡散力の差と思って大丈夫です。プラス高いものはサービスも丁寧な傾向にあります。
PRTIMES
大手も使っている非常に優秀なプレスリリース配信プラットフォームです。
原則として法人専用です。
1回配信3万円と今回紹介する中では高額。年間プランなどもあります。
法人化している方は、設立後24か月以内で一定の条件を満たせばこのサービスを月に1回無料で使うことができます。
https://prtimes.jp/startup_free/
対象の方は絶対に使うべきです!(ちなみに加藤は会社作ってから3年たって気づいて無料利用できなかった・・・)
ドリームニュース
加藤が愛用しているプレスリリース配信サービス。
30日1万円でプレスリリース打ち放題。拡散力もまあまあです。
ゲームをリリースしてすぐにフィーチャーされた!みたいなときは30日以内であれば追加料金なしでまたプレスリリースを発信することができます。
原則として法人向けのサービスですが、プレスリリースの内容によっては個人でも審査の上利用可能なケースもあるようです。
プレスリリース ゼロ
とにかくお金はかけたくない!とか、法人じゃないしちょっと無理、みたいな方は
その名も「プレスリリースゼロ」ってサービスもあります。
無料なので拡散力やサービスもそれなりですが、無料でプレスリリースを打つことができ、さらに個人事業主でも利用可能。
最近はスマホ対応もしていて、悪くない感じです。
※無料のプレスリリースを使っているのがばれるとブランドイメージ的に良くないわー、という方は避けましょう。ブランドイメージがある方はPRTIMESが間違いありません。
加えて自分のサイトやSNSでもきちんと発信
プレスリリース配信サービスでプレスリリースを出したら、同じ内容で自分のサイトやSNSで発信をするとより効果的です。
配信サービスを使って出したプレスリリース
http://www.dreamnews.jp/press/0000146006/
自社サイト
https://sqool.co.jp/info/20170119/
メディアサイト
https://sqool.net/taopei-game-show-2017.html
SNS
https://www.facebook.com/sqool4/posts/1030913340371822
https://twitter.com/sqoolnet/status/821989150677233664
自社サイト・自社メディアが無い方は、プレスリリース配信サービスと自分のSNSだけでも効果はあると思います。
ブログに掲載も良いですね。
とにかくできるだけ情報を世に出しましょう。
大衆の目に触れないものが流行るという事はあまりありません。
ゲームは面白いのにPRしていないから・・・!というもったいないケースはたくさんあります。是非プレスをだしてくれ!
プレスリリースの書き方が分からない!
プレスリリースの書き方が分からない!という方も多いと思います。私もそうでした。
私の場合はプロのライターさんに5万円払って1つ目のプレスリリースを書いてもらって、それを参考にその後は内部で作成しています。
http://www.dreamnews.jp/company/0000005514/
上のリンクをめくっていってみてもらうとわかりますが、初期はつたない感じでもだんだんとそれっぽいプレスリリースになっていると思います。
加えて文章の型みたいなものができてきているのもお分かりいただけるでしょう。
たくさん出すと慣れてきますので、最初は不安かもしれませんがどんどん出せば良いのです。
ゲームデベロッパーさんのプレスリリースを見て勉強するのもありです。
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/16898
ちなみにこんなのもOK。
http://www.dreamnews.jp/press/0000096810/
会社の人間が引っ越しました、というプレスリリースですが、結構バズりました。
ニュース性があれば何でもよいので、事業に何らかの動きがある場合は積極的に出すと良いと思います。
※ただし、何度もいいますがプロダクトであるゲームが一定以上に優れている事が必要なので、変わったプレスリリースを出すことばかりに注力するのは無意味です。
メディアに直接打診!
プレスリリースを出したうえでさらにPRをしたい方、あるいは色々あってプレスリリースが出せないという方は、ゲーム系メディアへ直接掲載依頼をしてしまうのも良いと思います。
「ゲーム出したんで取り上げてくれ!」
と連絡するのは恥ずかしいかもしれませんが、大丈夫です。メディア側からすれば慣れっこですし、やっている人はやっているので、やらないと単に差がついているだけです。
にしあぷさんの
iPhoneアプリのレビュー依頼・プレスリリース送付先リスト【2017年1月版】
ここが良くまとまっているのでブックマークしておきましょう。
無料でプレスリリース掲載orゲームレビュー受付を行っているところです。
送ったからって必ず掲載されるわけではありませんが、送らないとほとんど掲載される可能性はないかもしれません。損はないので送るべきです。
加藤の会社のやつも載っています。
https://sqool.net/sqool-press-post
一応直接載せときます。無料です。
メディアに刺さる連絡の仕方!
ただ「載せてくれ~」ってメールを送っても多分無視されます。
メディアの担当者も人間なので、その人間の心に刺さるメールを送るようにしましょう。
ポイントは以下の通り。
1.メディアの内容に目を通す
スパム的に送ってもほぼスルーです。そういうのいっぱい来ます。
2.明らかに相性の悪いところは避ける
麻雀ゲーしか掲載していないのにパズルゲーの連絡してもダメやん?
3.連絡した理由を添える
~~こういうゲームなので、~~という点で合うと思った、とか。ウチだと「脱出ゲームを積極的に取り上げているので送った」とか言ってもらえればOK。
4.感想とか
いつも見ているなら「いつも見てます」と書くべき。そうでなくても何か感想があると(お世辞が見え見えでも)担当者はうれしい。
5.プレスリリースの概要やゲームの特徴をコピペしやすいデータで送る
メディアは依頼を色々と抱えているので、負荷が高いお願いよりも作業が楽そうなお願いを優先します。よく(公的なところとかは)ワードの機能をフルに使ったPDF資料とか送ってきますけど最低です。メールにベタでテキストもらった方がマシです。要素要素をコピペして組み替えて再編集する、みたいなことをメディアはやっています。
6.プレスキットを用意する
使える画像、ゲームのスクショや、キャラのイラストとか、アイコン画像など、何か記事に添えられそうな画像を多めに詰めてzip等で圧縮して送るか、ドロップボックスで公開してリンクを送るなどすると便利です。
これも記事作成の負荷が下がるとともに、例えば通常にゲームをしているだけでは手に入らない、設定資料の画像データなどがあると記事に価値がプラスされますので好材料です。YouTube動画のURLもなるべく用意しましょう。
7.掲載されたらお礼メールを
これ意外と漏れますけど、次またお願いするときにメディアは「あ、前の人だな」と覚えているもんです。お礼が来た人と来ていないい人とでは2回目以降の対応が違う可能性があります。誰だって気持ちよく仕事したいですからね。
最後はイベント出展時にメディア掲載されるコツ!
長くなってますが最後です。
東京ゲームショウ、デジゲー博、ビットサミット、その他色々なゲームイベントがありますが、出展はメディアに掲載される良い機会です。DL数、購入数によらず、出展しているゲームは横並びで等しくチャンスがあります。
私のメディアでもたびたび取り上げています。
https://sqool.net/taipei-game-show-day1-day2.html
https://sqool.net/tgs2016-review-laststandard.html
しかし、メディアには「掲載しやすいブース」と「掲載しにくいブース」があります。
私の主観ですが、いくつかポイントを上げておきます。
1.プレスキットがある
これは上にも出てきましたが、画像素材や基本的なゲームの説明などを詰めたプレスキットが公式サイトなどにあるとメディアとしては便利です。メールで後で送っても良いでしょうけどどうしても時間がかかりますので、名刺に書いてあるウェブサイトにプレスキットが載っているのがベストです。最初からメールする場合と違って、その場で取材が始まりますのでその場で完結するのが良いですね。
2.YouTube動画がある
ウェブメディアに埋め込みやすいYouTube動画があるのはかなりポイント高いです。まだ開発中の場合は開発の各段階でのYouTube動画を上げておくと良いでしょう。
YouTubeではなくてFacebookに動画を上げている方がまれにいますが、Facebookの動画はウェブに埋め込む機能がありませんのでメディアへの訴求力はありません。YouTubeにしましょう。
FacebookページへもYouTubeの動画を入れておいた方が今の環境だと何かと良いと思います。(Facebookさんも動画を外部サイトに埋め込めるようにしてくんないかな)
3.女性がいる or コスプレや被りものがある
ベタですが写真にして映えるというのはとても大事です。イベント出展ではゲーム画面だけではなくブース自体も撮影して掲載することが多いですが、パソコン画面だけを写真にとってもいまいちなので、開発者側を撮影することがよくあります。下世話な話ですが、メディア映えするのは男性より断然女性です。だから大手は女性コンパニオンさんをたくさん並べるのです。
知り合いの女性にお願いしましょう!(難しい場合はコスプレとか被りものとか!)
4.分かりやすい名刺
A4の紙のチラシをもらうことが良くありますが、メディアとしてはあまり役に立ちません。それよりも、名刺に各情報のリンクや公式ページURLが分かりやすく掲載されている方が大事です。そこに必要な情報を詰めておきましょう。
メディアがデータで好きに取れるというのは大事です。
多くは公式サイトやFacebookページ等になると思いますが、そこをきちんと更新して最新の情報を入れていけば、強力なPRツールに育つはずです。
5.メールする
メディアが「掲載を検討します」とか「掲載しましょう!」とか言った場合は、「挨拶メール」で追い込みましょう。先日はありがとうございました!記事楽しみにしています!最新の画像を送ります!とか書けばOK。海外の人にも英語で送りましょう。私はこれやられていくつかレビュー上げています。
熱意ってのは大事でそこに感化されるという要素もありますね。
6.やっぱゲームが面白いのは大事
上を全部満たしていても「いやー、ちょっとこれはクソゲー・・・」ってのは紹介できませんから、大前提はゲームがイケていること。ここは頑張ってください。
以上!
大体こんな感じです。
これに加えてウェブメディア以外に、雑誌、ラジオ、テレビ、等々メディアってたくさんあります。
雑誌はウェブメディアに近いところもあるので同じ資料が使えたりしますから挑戦してみても良いかもしれません。
ゲームが成功するにはいくつかの重要な要素があり、その中の1つがPR。
面倒だなーと思うかもしれませんが、知らないものは買われないので、何とか頑張ってください!
最後に宣伝。
PR関係のサポートもお仕事でできますので「めんどいし金渡すからやってくれ」的な人はこのブログの「加藤に問い合わせる」のところか、
この辺りから連絡ください。